城山農業株式會社

 

 

一、沿革

 

城山駅前社宅より事業地を望む

城山駅前社宅より事業地を望む

 当社は創立日なお浅く昭和15412日農業牧畜および林業を主な目的として資本金70万円以て設立せられ本店を京畿道水原邑に事業所を江原道京元線の沿線に持ちその所属地積は約2千町歩これを城山農場と名付けた。城山の名は現地の北方に聳(そび)ゆる城山に因んだものである。本店事務は一切東山農事会社朝鮮支店において代行し城山農場は同支店の各農場に準じて取扱われる事になっている。

 

取締役社長 坂本正治

 

常務取締役 徳弘国太郎

 

取締役 相川貞吉

 

取締役 君塚慎

 

取締役 岡部豊太郎

 

監査役 守田亶

 

二、事業概説 (城山農場)

城山駅前社宅より事業地を望む

城山駅前社宅より事業地を望む

  当農場は京城より元山に通ずるいわゆる京元線のほぼ中間で平康郡高挿面の遠南里近南里にまたがる約2千町歩の集団地ある。土地は京元線剣払浪駅と洗浦駅間の鉄道沿線一帯でこの中間の新設城山駅は当農場事務所に近接し京城より約40里元山より約25里海抜1200尺から2,000尺に達する高原地帯で南北には峻峰重畳として連なり西方はやや開けているが東は楸哥嶺の断崖に接する高燥地であるから水田経営には適せず畑作牧畜を主とし防風林を兼ねて落葉松を植林する事にしている。この地方の農業は未だ原始的粗放の域を脱せずこれが開発の為小作経営の方法を以って先ず適応作物と国策上必要な特用作物の集約的栽培を始め現に燕麦、トウモロコシ、馬鈴薯、大麻等の作付はその主なるものである。特に当地方は大麻、亜麻、ホップ、大根の好適地として著名であって本農場においてもこれが試作中である。

 

 また畜産方面では有畜農業の発達を企画し国策に順応して先ず緬羊コリデール種約100頭の飼育から初めて漸次馬、牛、豚、兎等の飼育に進みそれぞれ順調に推移しており漸次産仔を農家に預託する方針である。さらに林業においては現在約250町歩の山林があり主として落葉松(からまつ)の造林であるが年次輪伐すると共に増林を計画し昭和15年度に落葉松10万本を植栽した。大体以上の様な方針でこれらの成績は火急に論ずる事は出来ないが京城方面並びに北鮮大都市に通ずる鉄道沿線に在って交通運輸上地の利を占め特殊作物の栽培および農産物、畜産物の加工品製造等有望視されている。本農場の将来性が期待される所以である。職員は現農場長堀江信四郎氏以下9名である。