末広農場

 

一、沿革

 当農場は成田不動から東へ約三里、明治21年7月岩崎家がここに集団地300町歩を買取り、三菱合資会社管理の下に植林を行ったのに創まる。当場の地形が扇子(せんす)を広げたのに似ている所から末広野原と称し、その後明治45年1月1日末広農場と改称し、養豚、耕耘の三事業をはじめ岩崎家庭事務所の経営する所となり現在におよんでいる。農場長橘常喜氏以下職員6名傭員(よういん)雇員約60名である。

(二)事業概説

 養豚は大、中ヨークシャー種を主とし之にバークシャー種を加え今日迄しばしば種豚および加工品用として優良純粋種の繁殖に努め七十頭余の繁殖用牝豚を繋畜しており毎年700~800頭の仔豚を生産し、種豚は立川養豚場の手を経て広く全国に売却し肉豚は一部場内加工用とし他は統制下に一般市場に供給している。

 養鶏では白色レグホン、ロードアイランド種を主としライトサセックス肉用シャモインデアンゲーム等の成鶏約2千羽を飼育しこの中で年産卵一羽で300個以上の能力を有するもの50羽以上におよびび鶏卵の年産量は約45万個に達し地元産業組合の手を経て一般市場へ販売している。一方又電熱孵卵機を備え一ヵ年8千羽の雛を孵化育成し、早期雄雌の鑑別を行い種雛候補以外の雄は去勢して肥育し肉用として出荷する他場内加工用としている。

末広農場養鶏状況

末広農場養鶏状況

 耕耘の方は所有家畜の飼料自給を目的として、大麦、小麦、トウモロコシ、蔬菜(そさい)類を栽培し、トウモロコシの栽培面積は約五十町歩小麦は22~3町歩でその収量は約300石におよんでいる。なおこの他肥料試験、利用面積試験、播種期試験の目的で約7町歩の試験園を設置して諸種の研究試験を行っている。

末広農場収穫状況

末広農場収穫状況

 樹林は杉、松、檜を主とし約200町歩におよんでいるが未だ皆伐の時期に至らず適時間伐して主として場内用に使っている。

 この他当農場には製氷および罐詰工場を設備していて肉豚、肥育雛を利用して先年来ハム、ベーコン各種ソーセージの製造を営んでいる。