(一)商事部事業

 

邦語名   カーザ東山

伯語名   カーザ、トーザン、リミターダ

本店      サンパウロ市

支店      サントス、リオ・デ・ジャネいロ、リンス、マリリア、プレジデンテ・プルデンテ、プロミツソン、ガランタン、アルバレス、マッシャ-ド

カーザ東山商事部見本室

商事部事業中主流をなすものはコーヒーコムミツサリオ業と輸出入業のニである。

 コーヒーコムミツサリオ部はサンパウロ州の玄関にして香り高き、サントスコーヒーで有名なサントス港に営業本拠を置きリンス、マリリア、プロミツソン、アルバレス、マッシャ-ド、ガランタン、プレジデンテ・プルデンテ等の奥地に設けられた支店およびサンパウロ州内至る所に配置せられた代理人網との連絡により大規模のコーヒー売買、精選業および付帯金融業を主業とし、さらに米、茵蔴子(ひまし)、トウモロコシ、其他雑穀類で凡そ(およそ)取扱われない農産物はないと言っていい位、邦人生産農作物の有利販売、所分に甚大な貢献している。特にその金融方面の機能は在伯邦人に最も必要な農業金融機関として絶大なる信用と牢固(ろうこ)たる地盤を築いている。

 輸出入貿易業務の発端は日伯経済使節交換を契機として澎湃(ほうはい:勢いよくおこる) として起こった中南米貿易市場開拓の要望に沿うべく昭和8年サンパウロ市に店舗を設置したのに在る。爾来日本産生糸、毛糸、鉄製品、農具、農薬剤、肥料其他一般雑貨を欧米品との激甚なる競争の下に幾多の犠牲を払いつつ従来欧米品の独占舞台であったブラジル市場に進出せしめたのである。今日においては既に確固たる商権地盤を築き日伯通商上実質的に重きをなしている。次いで昭和14年よりは綿花、茵蔴子実?、綿実、コーヒー等のブラジル農産物の対日輸出に先鞭をつけ、さらに昭和16年1月リオ支店開設によりその取扱品目は銑鉄、マンガン、工業用ダいヤ、水晶、雲母等におよびび母国の物資獲得に絶大なる寄与をなしている。一方智利、アルゼンチン等の隣接南米諸国および北米合衆国との輸出入貿易にも手を伸ばし所謂第三国貿易に力を致し(いたし)ている。

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